さん寅

SWING GIRLS オリジナル・サウンドトラック

SWING GIRLS オリジナル・サウンドトラック

 買いました。……ていうか、なんだかんだいって、思い切りはまってんじゃん>自分。いや、これが、何気なく試聴して、思わずレジに向かってました。
 もちろん、いうまでもなく、演奏はドヘタです。が、確かにまったくの初心者からはじめたにしては、なかなか大したもんだと思います。
 しかし、そういう下手上手いの話ではなく、なんか、いいんですよ。つまり、プロ野球もいいけど、高校野球で、球児たちのひたむきなプレーを見るのもいい、みたいな……。といいつつ私は高校野球はほとんど興味ないんですけど。考えてみれば、ジャズで、プロ野球と草野球に対応するものはあるけど、高校野球に対応するものはない。草野球に対応するもの、ていうのは、まさしく私らがやってるやつですね。本人達が楽しそうなのは伝わってくるけど、得意げな顔してたり、あるいはおちゃらけてたり、残念ながら爽やかさとかひたむきさとかが欠けていることが多い。つまり、草ジャズですね。あ、いいな、この呼び方(「アマチュア」という呼び方はなんかあまり好きではないのです)。というわけで、スウィングガールズ達の演奏は、高校野球ならぬ高校ジャズーの爽やかさがある。たとえば、トラック02.の「A列車で行こう」は、エリントンのアレンジそのままですし、トランペットのソロは、以下の有名なアルバムでのクーティ・ウィリアムスのソロのコピーです。

ザ・ポピュラー・デューク・エリントン

ザ・ポピュラー・デューク・エリントン

 というわけでこのCDを引っぱり出してきて早速聴き比べて見たのですが、これがもう可笑しくって。スウィングガールズ版のtpソロは、テンポは大分遅いですが、一応フレーズは完コピです(多少簡略化してるけど)。が、にもかかわらず、まったく印象が違う。一方が乙類芋焼酎ストレートなら、他方はさわやか苺ミルクみたいな。さわやか苺ミルクのようなクーティ・ウィリアムス、てそれだけで笑えます。私は管楽器のことはよくわかりませんが、素直ないい音を出していますし(ま、録音の力も大きいでしょうが)、なによりも丁寧に一生懸命吹こうとしているのが伝わってとてもほほえましい。はっきりとクレジットされていないのですが、たぶんトランペット役で準主役で出ていた貫地谷しほりさんが演奏しているのだと思います。考えてみれば、あの映画の中で楽器と演奏に一番思い入れがある人として描かれているのは、貫地谷さんでした。というわけで、あっさりとモトカリ派からも上野派からも足を洗い、今日から貫地谷派です。
 それから、掲示板でSGS氏が言ってましたが、BGMとして使われていた、梶原順氏の生ギターをフィーチャーした演奏(ミッキー吉野kb斎藤ノブperc)も、こりゃなかなかいいですよ!(実は映画を観たときはあまり印象に残っていなかった)
 追記:その後また何回か聴いたのですが……ドヘタと書きましたが、うーん、逆に上手すぎるのでは、という気がしてきた。ほんとに本人たちが演奏してるのかなあ……。スウィングはあまりしてないけど(笑)リズムがよれたりとかそういうことがほとんどなく、きっちりしすぎ。たった数ヶ月の練習であそこまできっちりできるだろうか(当然録音の際の切り張りはあるのだろうけど)。プロじゃずうの人がわざと下手に演奏してるのでは?などと勘ぐってしまうけど、ホントに本人だったら、すごいよ。