ザビヌれり

ジョー・ザビヌルが亡くなったそうです。それに対する武田徹氏のコメント

『8:30』を、ピンクフロイドの『狂気』と並ぶシンセサイザーを使い込んだ作品の頂点に位置すると評した記事を読んだことがある。ジャコパスもすごいけれど、ザビヌルもすごい。しかも『狂気』と違ってこっちはライブなのだ。まだ一台のキーボードでなんでも出来る時代ではなかったので、ザビヌルは何台も組んでステージで弾いていたが、二台のキーボードで同じフレーズを同時に弾くとき、弾きやすくするために逆にキーボードを配列したものを用意していたと聞いたことがある。同じフレーズを右手左手で同時に弾くと人間の手は対称系なので苦労する。一台が逆順のキーボード配列ならば、親指から始まるフレーズはどちらもキーボードも親指始まりとなって弾きやすい(かどうかは好みもあるだろうが)。そこまでしてライブ演奏に臨んでいた職人芸の人だったようだ。

http://www.journalistcourse.net/topics/archives/2007/09/gooyomiuri_49.html#more

たしかに『8:30』はすごい。で、キーボード逆配列の話なんですが、私もある人からその話を聞いたときは驚愕しました。ウェザー・リポートのライブ映像はいくつか見たことがあるのですが、それを見ると、たしかにザビヌル氏のキーボードは普通と逆配列になっています。つまり、普通は右に行くほど高い音がでるようになっているのが、逆に左に行くほど高い音が出るようになっているのです。
ただ、それは「二台のキーボードで同じフレーズを同時に弾くとき、弾きやすくするため」なのかどうか……。私も詳しいことは知りませんが、ライブ映像を見る限り、その逆配列キーボード、たしか右手で単音で弾いていたように思います。「同じフレーズを右手左手で同時に弾くと人間の手は対称系なので苦労する」というのはわりと初心者の話であって、それが理由だとはどうも思えません。また、左手ではなく右手で弾くときに逆にしている、ということは、むしろ「弾きやすくするため」ではなくて、逆に「弾きにくくするため」だった、というほうがありそうに思います。何故わざわざ弾きにくくするか、という理由もわかりませんが、手癖を排除するためとか、いろいろあるかもしれません。しかしまあ、ザビヌル先生のことですから、なんか常人には理解できないような理由があったのではないでしょうか。どこかインタビューか何かでその辺の事情を語っていたりしないんですかね?
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