凶悪な殺人事件自衛のための報復行為

パレスチナガザ地区での銃乱射・ミサイル乱射・爆弾乱投下事件」
は、まったく報道されなかったわけですが、
エルサレムの神学校での銃乱射事件」
さっそく大きく報道されています。
今日のNHK昼のニュース。
アメリカが提出した国連安保理の非難声明が「アラブ諸国などの反発により」採択されなかった。
ブッシュが「罪のない市民に対する野蛮で卑劣な攻撃」だ、と非難声明を出した。それで

ブッシュ大統領としては、イスラエルによる報復を事実上容認することで、イスラム過激派のテロに対して強い態度で臨むことを示したものと見られます。

毎日の記事もこんな感じ。

<ブッシュ米大統領エルサレムのテロを非難
3月7日11時9分配信 毎日新聞
【ワシントン笠原敏彦】ブッシュ米大統領は6日、エルサレムの乱射事件を受け「最大限の表現でテロ攻撃を非難する」との声明を発表した。大統領はオルメルトイスラエル首相に電話で弔意も伝達。迅速な行動の背景には、衝撃的な事件がイスラエルの過度の報復攻撃につながり、パレスチナ和平プロセスに重大な打撃を与えることへの懸念が強い。
 7年ぶりに再開した和平交渉をめぐっては、ライス米国務長官が今週初めに現地を訪れ、中断の長期化を回避したばかり。「中断騒動」の発端になったイスラエル軍パレスチナ自治区ガザ地区侵攻も、ロケット弾攻撃への報復だっだ。
 米国はイスラエルへのテロ攻撃への報復を「自衛権」と擁護しているため、報復行為が行き過ぎると国際的に厳しい立場に置かれるという事情もある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080307-00000025-mai-int

イスラエル軍による「罪のない市民に対する野蛮で卑劣な攻撃」を基準とすると、今回の事件こそ(「自衛権と擁護する」かどうかは別として)「報復」と感じるのが自然だと思うのだけど、そう思って上の記事を読むと、最初一瞬混乱して何を言っているのかわからない。
ここからわかるように、NHKのニュースや上の記事は

という原則がきちんと守られているからなわけです。時系列とかは無視です。イスラエル軍がなにかやったら、それは自動的に「報復」と伝えられる。パレスチナ人が何かやったら、それは自動的に「テロ」と伝えられる。
追記:
そうだそうだ、昔、別館で、こんなことを書いていたのをすっかり忘れていましたよ……。
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2006_Rules_of_the_Western_Media.html
↑上のサイトからの転載なんですが、もう一回紹介します。

中東問題を扱う西側メディアの規則

 規則1: 中東においては、最初に攻撃するのは常にアラブ側であり、自衛するのはいつもイスラエルである。これは「報復」と呼ばれる。

 規則2: パレスチナ人であれレバノン人であれ、アラブ人がイスラエル人を殺すのは許されない。これは「テロ」と呼ばれる。

 規則3: イスラエルはアラブの市民を殺す権利を有しており、これは「自衛」と呼ばれるか、このところでは「付随的被害」(軍事行動に伴う市民の被害)と呼ばれる。

 規則4: イスラエルがあまりに多くの市民を殺すと、西側世界は節度を求める。これは「国際社会の反応」と呼ばれる。

 規則5: パレスチナ人とレバノン人は、限られた人数であっても、あるいは1人か2人であっても、イスラエル軍人を捕虜にする権利を有しない。

 規則6: イスラエルは彼らが望むだけのパレスチナ人を捕獲する権利を有している。(パレスチナ人だと1日に1万人であってもよく、そのうち300人は子どもでもよい。レバノン人だと1日に1000人が裁判もなしに拘束される)。なんらの制約もなく、罪を証明する必要も裁判もない。それはすべて魔法の言葉、「テロ」という言葉だけが必要とされる。

 規則7: 「ヒズボラ」と言うときには、常に、「シリアとイランに支援されている」と付けたさなければならない。

 規則8: 「イスラエル」と言うときには、「米国、英国、その他の欧州諸国に支援される」と言ってはならない。人々はそれを平等でないと考えるかもしれないからだ。

 規則9: イスラエルに関しては、「占領された領土」、「国連決議」、「ジュネーブ条約」という言葉に触れてはならない。それはフォックス・ニュースの視聴者を困惑させかねない。

 規則10: イスラエル人はアラブ人より英語をじょうずに話す。イスラエル人にできるだけ多くを話させる理由はここにある。そのため彼らは規則1から規則9までを説明することができる。これが「公正なジャーナリズム」と呼ばれる。

 規則11: もしこれらの規則に同意しないならば、あるいは、もしイスラエル側よりアラブ側を好むのであれば、ひじょうに危険な反ユダヤ人に違いない。もし率直な見解を表明するなら、君は公式に謝罪しなければならないかもしれない。

改めてこれを見てみると、今回私が気がついた「原則」が、まったく上の規則と一致していることがわかります。つまり、いまさらだけど、NHKも毎日新聞もまったく忠実に上の規則を守っている「西側メディア」だってことですね。