暴衛隊

昨日、電車で正面に座っていた人が読んでいた新聞(スポーツ報知)に「聖火衛隊」という大きな見出しがありました。
これは、聖火ランナーに併走する「聖火防衛隊」を皮肉っているつもりのようです。暴力的だから「暴衛隊」と。さすがにスポーツ新聞だけにうまいこといいますね!<皮肉です
今ネットで調べたら、どうもこの記事のようです。

聖火防衛隊」の容赦ない行動に批判続出

 聖火ランナーを取り囲むように並走する青いユニホーム姿の「聖火防衛隊」が話題を呼んでいる。サンフランシスコにも登場し終了直前に、隠し持っていたチベットの小旗を振り始めた女性走者(41)を隊列から引きずり出した。その容赦ない行動に、各地で批判と不安の声があがっている。
 6日に聖火リレーが行われたロンドンや、7日に行われたパリでも「防衛隊」はデモ参加者を組み伏せるなど暴力的な行動に出ており、9日付の英デイリー・テレグラフ紙は、「青服たちの真実」「チベット鎮圧の警察に所属」との見出しを写真とともに掲載。彼らは屈強な体と高い身体能力を持ち「政治試験」の成績も優秀。英語、フランス語のほか日本語でも「前へ」「速く」といった言葉を覚えている、と指摘している。
 また、ロンドン五輪招致委員長を務めたセバスチャン・コー氏も「あいつらは暴徒のたぐい」と漏らしたという。(……)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080411-OHT1T00084.htm

ここのところ、この「聖火防衛隊」の話題、やたらにニュースにとりあげられてますね。なんで中国の暴衛隊ばかりがとりあげられるのでしょうか。日本の暴衛隊もがんばっているのに全然報道されません。というわけで、紹介させていただきます。これが、私が撮影した、わが日本の、「青いユニホーム姿の暴衛隊」です。
 
http://d.hatena.ne.jp/sarutora/20060806で詳しく書きましたが、2006年のサウンドデモの際に撮影しました。中国の暴衛隊は、聖火ランナーを取り囲むように併走するそうですが、日本の暴衛隊は、デモ隊を取り囲むように併走します。しばしば、デモ隊よりも人数が多いので、外から見ると、まるで機動隊が行進しているように見えます。この辺も、中国の暴衛隊とそっくりですね。
中国の暴衛隊は、中を走る聖火ランナー「を」防衛しているようですが、日本の暴衛隊は、中を歩くデモ隊「から」市民を防衛する、というところが違いますが、「容赦ない行動」はまったく同じです。その様子が、めずらしく最近(先月)、日本のマスコミでも報道されていました。よくあることですが、機動隊がデモ参加者を組み伏せるなど暴力的な行動に出ている場面が映っています。

あれ?でもどういうわけか、このニュースでは、暴衛隊がイイモノで、デモ参加者の方がワルモノ扱いですね。中国中央電視台のニュースと間違えたかな?
スポーツ報知の記事の続きです。

 26日に聖火リレーが行われる長野市でも関係者は戦々恐々だ。同市実行委員会は10日、来週にも市を訪れる五輪組織委担当者と警備態勢などについて最終調整することを決めた。
 実行委や長野県警が大きな課題としているのが、聖火ランナーを守るために並走する「セキュリティーランナー」の充実。計画では長野側で用意することになっているが、来週の協議次第では、北京側から“聖火防衛隊”の派遣を申し出る可能性もありそうだ。
 実行委関係者は北京側から「防衛隊」の正式な派遣の申し出はないというが、「もし来た場合、日本の法律を守ってくれるのか。誰かにケガさせても困る」と話した。
(2008年4月11日06時00分 スポーツ報知)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080411-OHT1T00084.htm

ふむ、やはり、日本の暴衛隊としては、中国の暴衛隊にお株を奪われてはいけない、と、今から戦々恐々のようですね。
それにしても、一番最後の「誰かにケガさせても困る」という表現は面白いですね。「誰か」っていうのが誰か、というのが問題なわけです。フツウに考えて、一番ケガをする可能性があるのは、中国によるチベット弾圧に対する抗議行動をする人、でしょう。だからといって、「活動家にケガさせても困る」とかは、別に思っていないので、まるで、「無関係」の日本人の「誰か」がケガをすることが一番の問題である(下手するとチベット人が中国軍に殺されたことよりも)、かのような記事になってしまったわけですね。
実際いろいろなニュースを見ていると、抗議活動についても、聖火ランナーの「妨害」などは「やり方がよくない」と批判する論調が主流ですね。